いちごがたっぷり乗っているパンケーキを、堪能している莉亜と奈緒。
濃厚なマスカルポーネと甘酸っぱいいちご、そして少し甘めのホイップクリームがマッチして絶妙な味わいになっているらしい。

「ん〜!!!やっぱいちごってあれだね、青春の味だね☆」

奈緒が口いっぱいにパンケーキを頬張って、飲み込んだ後に幸せそうな表情で言った。

「まるで莉亜ちゃんの恋のような」
「ちょっと??」

少し怒り気味の莉亜の声が、奈緒の声に重なる。

「……あ、あぁ、ごめん、ごめんね!!悪気ないから!!ね!!!」
「……そうならいいんだけどさ」

奈緒が必死に謝る姿と、莉亜が素っ気なくかわす仕草は周りから見るとおかしなものだった。

「と、ところでさ!どこのイルミネーション見に行くの?」
「え?えーと……どこかは言われてないな」

莉亜がスマホでLINEのトーク画面を確認してから言った。

「なら表参道にしなよ!街中の木が金色に染まって、すっごい綺麗なんだから!!」

奈緒がドヤ顔でそう言った。

「そうなの?」

表参道のイルミネーションを知らない莉亜は、スマホで検索をかけた。

「……うわー!!!綺麗だね、じゃあここにしようかな」

莉亜が五條にメッセージを送った。

『イルミネーションさ、表参道のやつにしない?』