その週の日曜日。
莉亜と奈緒は、原宿のインスタ映えするおしゃれなカフェで作戦会議をすることにした。
午前10時の原宿駅。
奈緒は莉亜が来るのを待っていた。

「おま、たせ……」

声の主の方向を向いて、奈緒は驚いた。
莉亜ってこんな服いっぱい持ってたんだ、と。
髪型もちゃんとスタイリングされている。服にあったふわふわした感じになっている。
莉亜って……こんなに女子力高かったんだ!
そう強く感じた奈緒は、莉亜のことを思いっきり抱きしめた。

「あんた最高だよ、莉亜!」

「えっ、ええっ……」

莉亜はいきなり抱きつかれて混乱しているようだが、奈緒は心底嬉しそうだった。



2人は、約束していたインスタ映えするカフェに入った。

「ぶっちゃけ言うけど、莉亜のコーディネートはあたしの思った以上に完璧だったわ」

奈緒は、グラスの中に入ったキャラメルラテをストローで吸いながら言った。

「え?そうかな……自分だとなんかしっくりこないけど」

莉亜は、自分の着ているタートルネックのセーターの袖だったりジャンパースカートだったりを見つめて言った。

「……莉亜、あんたファッション雑誌とか読んでる?どう考えてもネットだけじゃないよね、あんたの情報経路」

「え?う〜ん……毎月3誌は読んでるかなぁ」

……え?
単刀直入な奈緒の感想だった。
奈緒だって自分のファッションセンスには自信があったが、ファッション雑誌なんて読んでせいぜい月1誌、読まない月だってかなりある。
自分磨きにたくさんお金使ってるんだね〜、莉亜は。
奈緒はそう思った。

「お待たせしました〜、こちらマスカルポーネストロベリーパンケーキでございます」

店員の声が響き、テーブルにパンケーキが盛られた器が置かれる。

「うわ〜、噂には聞いてたけどおいしそう!食べよ、莉亜!」

奈緒が目を輝かせて言った。

「うん!」

さっそく莉亜はパンケーキを取り分けた。