ーガラガラ


ドアが開き、俺はみんなの顔を見た。
目が赤くなり、頬が濡れていた。


「なに...泣いてんだよ...。」

はやと「お前もな...」


はやとに言われ、涙が流れていることに気づいた。


「うっ...ハァハァ...」


発作だ。
もうちょっと待ってくれ。


近くにいた先生が、駆け寄って来て点滴をいじった。
すぐに、痛みが治まった。
先生の顔を見ると、辛そうな顔をしていた。

きっとモルヒネだ。
すぐに俺は気がついた。
でも、俺は気付かないふりをしたんだ。


「先生、ありがとう。」


先生は、何も言わず辛そうな顔で微笑んだ。


「俺は...大丈夫だから」

はやと「無理して喋んなよ...」

「もう...時間がないから...」

はやと「ふざけんな。まだ死ぬにははえーんだよ。」


はやとは再び涙を流した
俺は微笑んだ
そして、あいに目を向けた。


「...あい、泣くな」

あい「無理だよ..時間がないなんて言わないでよ...」

「笑え」


あいは首を振った


「あいの笑顔が好きだ。」


あいは泣きながら精一杯の笑顔を作った。
俺はきっと満足気な顔をしていたとおもう。


「みゆき?はやとを頼む...」


みゆきは泣きながらうんうんと頷いていた。


「はやと今までありがとな。」


はやと「おい。やめろよ。これからもずっとだぞ。死ぬなんて...ぜってえ許さねえからな。」


俺はなにも言わず微笑んだ。
そして、俺の心はすごく穏やかだった。


「あい...」

あい「なに...?」

「あいのお母さんとちえみちゃんに会った。」

あい「え?」

「あいは…ハアハア…お母さん似なんだな…ハアハア」


そろそろ、時間かな…
俺は再び発作に襲われた。


あい「こうへい…」

「2人が…俺を…戻して…ハアハア…くれたんだ…」

あい「え?」


俺は再び微笑んだ。


「もう一度、あいに…逢ってあげて…って…ハアハア」


あいは、涙を流していた。


「あい…?」

あい「なに…?」

「うっ...ハァハァ...」

あい「こうへいっ?!」


「もう時間みたいだ…」


俺はもう一度微笑んだ。


「ハアハア...愛してるよ...」

あい「私もだよ。こうへい愛してる。」



俺は微笑えんだあと
俺はみんなの顔を見た。


「みんな。ありがとう!」


その後俺はすぐに眠気に襲われ、目を瞑った。