「はやと?」

はやと「ん?」

「すっげえ楽しいな。」

はやと「おう。楽しいな。」

「あいつらに...本当に伝えもいいのかな?こんな楽しそうにしてんのにさ...。俺が言った事で...たった一言で、この笑顔が...一瞬でなくなるんだよ。」


俺は悩んでいた。


はやと「...。あいつ辛いだろうな...。でもさ...後で知った方が辛いんじゃない?心の準備も出来ないままよりはって俺はおもうけど...」

「そうだよな...。はやと?」

はやと「ん?」

「俺さ、この旅行が終わったら入院しようと思ってる。」

はやと「は?!」

「面会謝絶って話すつもり。これ以上どんどん弱ってく俺の姿は見せられない...。ってか見せたくない。だからさ...」

はやと「俺は...俺は行っていいんだよな...?」

「おう。本当は面会謝絶でもなんでもないから。」

はやと「でもさ、本当に会わなくていいのか?」

「あいつきっとさ、どんどん弱ってく俺見たら泣くだろ?また看取らなきゃいけなくなるだろ?そんなん辛すぎるだろ...もうあいつの泣く姿みたくねえんだよ...。あいにはずっと笑顔でいて欲しいからさ。」

はやと「...そっか。」


はやとは、それ以上何も言わなかった。

俺はあいを見つめていた。
あいつの笑顔を目に焼き付けていた。

ずっと忘れないように…