俺が外を見ていると勢いよくドアが開いた。
振り向くとそこには、呆れた顔をしたはやとが立っていた。


「はやと?どうした?」

はやと「はあ...お前やらかしたな。」


あいのことか…


「俺もそう思う...。振ったくせに、好きだなんて言って、付き合えないクセに...今はまだ付き合えないなんて...俺、ズルいよな...期待させるようなことばっかり言ってさ...」

はやと「は?お前そんなこと言ったの?」

「え?その事じゃないの?」

はやと「はあ...お前胸...見てみろ」


はやとは呆れた顔をし、俺の胸を指差した。


こうへい「っっっ...!!!!」


いつも隠していたはずの手術の傷跡が見えていた。


はやと「お前気づいてなかったのかよ...。」

「あいはっ?あいはなんて?」


俺は焦っていた。


はやと「お前落ち着けよ。あいは大丈夫だ。確かに気づいてた。泣きながらお母さんと同じ傷あとだったから見間違えるわけないって...。それでみゆきが、俺に話ふって来たんだよ。はやとなんか知ってるよねって。まじ焦ったよ...でもとっさに嘘ついた。確かにこうへいは心臓病だったけど、移植して今は治ってるって。それを信じてた。心臓病じゃなくてよかったって言って、安心した顔してたから大丈夫だとおもう。」


「よかった...。悪かったな。」

はやと「本当だよ。まったくwでも、お前まじズルいぞw」

「え?」

はやと「お前あいに俺の事信じろって言ったらしいじゃん。だから、あいつ傷に気付いてもなにも言えなかったらしいよ。お前の病室の前で泣き崩れてたってよ。」


俺はなにも言えなかった。
だって、あいが何も言えなくなるって分かって言ったから…

俺は俯いた。