「あれ…?」
その中にフロントを見つけて学校へ行くことを伝えに行こうとすると先約を見つけた。
ロングヘアをくるくると巻いている、後ろ姿でもわかるスタイルの良い女性だった。
「ですからお客様…」
「なによ、ここにいるんでしょう!?分かっているのよ。会わせて。」
そんな声が聞こえて一瞬、寒気を覚えた。
グルグルと回る私の過去。
「大丈夫か?」
了雅の声にハッとしてコクリと頷くと了雅はその女性の隣に並び、フロントへ声をかけようとしたみたいだ。
女性の視線はなぜか了雅ではなく私の方に向いて目を見開いている。
私はその女性に目を合わせると違う意味で目を見開いた。
…なんて素敵な女性なんだろう。
はっきりとした二重の目元。
高い鼻と透き通るように白い肌。
ほんのり赤い頬にグロスの乗った唇。
「あなたが咲良ちゃん?」