聖はキッチンでお茶の準備中。


流石に申し訳なくて、手伝おうとしたけど丁重に断られた。


さっき作った料理もついでに冷蔵庫に仕舞ってこれると、むしろ進んで奥に引っ込んで行った。




やがて運ばれてきた、紅茶と菓子。


……紅茶、得意じゃないけど頑張る。


味気ないのがどうも好きになれなくて、砂糖をたっぷり入れてかき込む。



自身の紅茶に少量のミルクを注いで、スプーンで静かに紅茶をかき混ぜる聖には苦笑されたけど、気にしない。


どれだけ聖の方が所作が綺麗だろうと、気にしないもん。



「んじゃ、俺のこと知ってもらいたいから自己紹介するわ。夏目光邦、2年や。琉羽とは腐れ縁っちゅうか、悪友みたいなもんやな。よろしゅうな!」



標準語に共通性がありながらも、身近に感じることがない特徴的な訛り口調。


滑らかに紡がれる語調、ニュアンス。