両手を掴まれてブンブンと大きく上下に振られる。


……この人、何がしたいんだろう…。



「……よろしく」



騒がしくて、すぐ大声出すし、よく分かんないことするし。


少し苦手な人種だと気付いて、さりげなく聖の隣に移動する。



聖には不思議そうな顔をされたけど、知らない。


さっと顔を逸らして素知らぬフリをした時。



「お、えらいベッピンがおるやん。ジブン、どちらさん?」



妙に陽気な関西弁が聞こえて視線を向けると、誰かが食堂に顔を覗かせていた。


流石にこれだけ人が密集すると、この空間が手狭に感じる。



ということで、親交を深める会と称してリビングでお喋りをすることになった。



荷物、まだ置いてきてないけど……いいや。


キャリーケースをすぐ側に置いて、椅子に腰をおろす。


ソファーに琉羽と、関西弁の男の子が座る。