「てか、あいつ女と遊んでるイメージ強いんだけど」


「みっつー顔はいいけど馬鹿だから。まんまと騙されて逃げられるパターンだよ」


……うん、想像できる。



「…みつ、くに……?」



その時、後ろから声が聞こえて振り返ると、最後に帰ってきていた空が光邦の様子を見て首を傾げていた。



教室で寝こけてたんだと一目で分かるトロンとした目。



説明する気もない私は、「おはよう」と言って空の頭を撫でた。


手の動きに合わせて頭をガクガク揺らしてされるがままの空。



ボーっと光邦を数秒見つめて、私の手をそっと下ろして近づいた。


何する気だろう…?



「か、かんにん。俺が悪かったんは認めるわ。せやけど……」


「なに。反論権は自分にあると思ってるわけ?」



そこ一帯だけ別空間。


もはや口出しも許さない転校生に光邦も身を縮めてお手上げ状態。