光邦の吹き出す声と、琉羽の小声に肩を落とす。
「それフォローなのか?」
頭の中でプチっと小さな音がした。
常識を弁える楓斗も含めてみんな、同罪。
「うるさい」
ぐりんと首を回して3人を一睨み。
そしたら、背筋を伸ばして焦ったように謝ってきた。
「か、かんにん…。なっ?」
「すみませんでしたっ」
「悪かったって」
見下ろされてる感じがしなくもないから、ちょっと頭にくる。
「って、あれ。なに、え!そーいえばなんで転校生がここに!?」
ここに来てようやく、指摘してくれた琉羽。
「は?」
今更?…なんて顔をこれまでにないほど歪める彼女の顔はまさに般若。
正直言って、ものすごく怖い……。
無意識に、側にいた楓斗の服をきゅっと掴む。
「天音…?」
何だ、と言いたげな楓斗に対して、何もないと首を振ってみせる。
本当は、ちゃんと理由があるけど。
話したこともない転校生にびびってるなんて、それを告げるのは少し恥ずかしい。