「だけど僕……天音一筋だし。それに、他の子に浮ついてたら取られちゃうでしょ?」


「…?」



どういう…?


首を傾げて見返す。


「気が抜けないってこーと。分かった?」



にへらと笑って鼻を突つかれた。


眉を寄せて鼻を抑えながら、頷いてみせた。



「あー絶対分かってないでしょー?」


ぷくっと頰を膨らませる琉羽から目を逸らす。



可愛い……けど、昴を思い出して恋しくなる。


……から、まともに顔を見れない…。



なんか、悔しいとそっぽを向いていると、視線を感じた。


キョロキョロ辺りを見回すと、バチリと転校生と目が合った。



「…?」



え…っと…?


しばらく見つめ合っていたけど、突然、前触れもなく視線を外された。


その振る舞いは一度も、私が視界に入ってなかったみたいに。


私……何かした…?