第2ボタンまでガバッと開いたワイシャツと、かなり脚を晒した短いスカート。


毛先くるくるの艶やかな茶髪と濃い化粧が映える、色気漂う女の子。


制服のポケットに手を突っ込んで堂々としている。



「綾瀬理沙子(あやせ りさこ)でーす。よろしくお願いしまーす」


気の無い自己紹介後、席について足を組む。


男の子が興奮するのも無理、ない……と思う。


だけど……


中学の頃の同級生であり、悪名高かった不良の加奈(かな)や美奈江(みなえ)にそっくりな雰囲気を纏う、その佇まい。



――怖く、なった。


この学校に女の子がいなくて、唯一奇抜なのがE組だけだったから。


今まで全然気にならなかった。


分かってるはずなのに、息苦しい。



嫌に口が渇いて、唇を舌で舐めて潤す。


呼吸がしにくくて喉をさする。


唾を飲み込む。


落ち着かせるため、いろいろ試してみる。


「天音、大丈夫?」


「…ん。だい、じょぶ」