平均よりも若干足りない身長。
小柄な体型と、間延びした甘えるような口調。
女の子と見紛うような容姿と相まって、幼く見える。
母性本能をくすぐるような愛らしさ。
すごく、すごく可愛い。
……だけど、昴のほうが100倍、可愛いもん。
妙な対抗心を燃やす、弟推しのブラコン姉。
「そーいえば、君だぁれ?」
小首を傾げて可愛らしく問いかけてくる姿にキュン……
と、一瞬心を持って行かれたけど、平常心を取り戻す。
騙されない。
だって、昴のほうが可愛いもん。
(大事なことだからもう一回)
昴以外にときめいたら敗北、昴に会わせる顔がない……と、変な自己暗示をかけて邪念を叩き斬る。
「天音ちゃんはここの新しい寮生だよ」
「天音?ふぅん、そうなんだぁ。僕は1年の穂崎琉羽だよ。よろしくねっ」