いや、触られたくない。
この人たち、ヤダ…。
チラリと周囲に助けを求めるも、誰も来ない。
見て見ぬふりをしてるのか、気付いてないのか。
どうしよう、と。
ぐるぐる悩み出して、引かれるままに足が進みかけた時。
「その手ェ放せやコラ」
低く、凄むような声が聞こえて、握られてない方の手を後ろに引かれた。
「光邦…?」
知らず知らず、泣きそうな声が自分の口から漏れて、振り向いた先の光邦の顔が歪む。
チッと舌打ちをすると、3人組を鋭い目で並んだ。
「何泣かせてくれてんねん」
「あ?誰お前」
「見て分からんかい。彼氏に決まっとるやろ」
なんて、驚くことを言ってのけるから、口を挟みそうになった。
「っ……光邦、何言って…」
「待たせてすまんかった」