「だから……姉さんが、その……気に病む原因が俺のせいだった、から……ごめん」


「っえ、ち、違う…!昴のせいとかじゃ、なくて……えと、私が聞けなかったのが悪いから…っ」


「……これじゃ、埒が開かない」


はあ、と小さくため息をこぼした昴は立ち上がって、私の目を真っ直ぐ見てくる。



「姉さん。もう抱え込んでること、ない?俺に言ってないこと」


「……多分…ない、と思う…」


「……じゃあもう、過去のこと、精算できそう…?もう辛くない…?」


「……っ…すぐには、無理だと思う…。まだ夢に見たりするし、思い出すのも辛い…。
けど、転校して、今の学校に通えて、みんなと出会えたのは良かった…から、前ほど悩みたくない……とか、思ったりはする…」


「そっか。……なら、俺のことばっかりじゃなくて、もっと頼ってみたら?」


「……それ、楓斗にも言われた」


「ああ、あの人。一番常識ありそうだもんね」