「って……これが久しい父と子の対面なんか！？」


うん、その反応は正しい。


光邦の突っ込みに、大いに同意する。



そう、この重たい空気を作り上げていたのは、私とだんまりを貫き通していた父だ。



「姉さんと父さん、似たもの同士だから」


「……いやそれジブンが言うんか？姉弟揃って父親の遺伝子100パーセントやで」


失礼な光邦を軽く睨むけど、本人は全然気付いてない。


別に、否定することじゃないからいいけど。



「普段通りだから、気にしなくていいと思う」


肉を頬張りながら言う昴の言う通り。



仲が悪いわけじゃなくて、これがいつも通りなのだ。


話の上手くない私と、無口なお父さん。


話をリードできない人同士が対峙するとこうなる。



「そっか、じゃあ僕も気にせず食べちゃっていい？じゃんじゃん肉ちょーだい」


空の皿に焼けた肉をぽいっと放り投げた琉羽が、元気よく手を上げる。