「……ほんと…?」
「うん。嘘、ついてない」
大きく頷いてみせると、空はふにゃっと破顔して私を抱きしめてきた。
「…わっ」
いきなりでちょっと、ビックリした。
聖ほどじゃないけど、空も背高いな…。
自分との身長差を考えていると。
「天音、好き」
「……え」
「大好き」
顔を埋める空からくぐもった声が聞こえて、だけど何を言ってるかはちゃんと分かった。
……えー、と。
これは、どういう"好き"だろう。
照れるでもなく、大真面目にその意味を押しはかる。
「天音も、みんなも、大好き」
「……あ、そういう…」
「…?」
どうやら、ラブじゃなくてライクのほうだったらしい。
良かった、自意識過剰にならなくて。
思わず出てしまった言葉に、空が体を離して不思議そうに首を傾げてたけど、あえて何も言わなかった。
……説明するの、ちょっと恥ずかしかったから。