実際、空がいなかったら伝達が遅れて私は危なかったかもしれない。
空は自分を卑下するけど、私なんかのために動いてくれたことが何より嬉しかった。
「俺、役に立った…?」
「ん、すごく」
「天音、嬉しい…?」
「嬉しい、すごく」
「俺のこと、嫌いじゃない…?」
「嫌いじゃない。空も、みんなも大好き」
一瞬、パッと明るい表情を浮かべた空は、思い出したように暗い表情で俯く。
「天音は……俺のこと、怖く、ない…?」
「…?」
怖い…?誰が?
私が、空を怖がる…?
どういう意味か分からないけど、空はどうしてもそこが気になるみたいで、しゅんとした顔で私の言葉を待ってる。
真剣な空をあんまり待たせるのもダメだけど……
不謹慎にも、私はぷっと吹き出していた。
「……天音…?」
「あ、えと、ごめんね。馬鹿にしたとかじゃ、なくて…」