「っえ、空?大丈夫っ?」


何かキツイことでも言ってしまっただろうか。


もしかして、私の対応が冷たかったとか?



オロオロする私を前に、空はぽつりぽつりと話し出す。



「天音、大変な時に、ずっと側にいたのに……何も、できなかったから。
天音、倒れた時に支えたのは楓斗だし、俺も心配したけど、弟はその比じゃないくらい心配、してて……俺、楓斗に指示されないと何もできなくて……そしたら俺、天音のために何もできないって、思って……申し訳、なくて…」


どんどん小さくなっていく言葉が、空の心境を表しているようで、切なくなる。


それでも頑張って伝えようとしてくれることは、嬉しい。



「私のために、動いてくれたの…?」


「……ん」


「何してくれたの…?」


「……楓斗の指示で、みんなを呼んできて、飲み物とか、冷たいもの、運んだ」


「そっか。……ありがとうね、空」


「…え」


「いろいろ行動してくれて。私のためにいろいろしてくれて、ありがとう」