「色々ありがとね、美里……お姉さん」
「……今の間が怪しかったけど、まあいいわ。今のあたしは有り余る寛大な心を持ち合わせているから」
良かった、助かった…。
黙って話をさせたことが捌け口になって、叔母さんの心にゆとりが生まれたんだろう。
そのおかげで見逃されたことに救われた。
「また来なさい。今度はあんたの話も聞いてあげるから、何かあったら言いなさいね」
何か…って…?
叔母さんの言葉に違和感を覚えた。
その違和感がはっきり形になった時、私はその正体を知った。
叔母さんの言葉に込められた、表れ。
そっか、私……
また心配させてるんだ。
何だかんだあっても、やっぱり……
助けられてる現状。
何をしても救いがあるという前提。
生まれる油断。膨らむ甘え。
いい加減、前に進まないといけないのに。