言葉を遮られた時点で、返事を差し込むことは諦めた。
言いたい放題の叔母さんに抗議する気はさらさら起きない。
面倒ごとは避けるのが一番だ。
話を聞くだけで回避できるなら安いもの。
そう割り切った私は、どこで息継ぎしてるのかいささか疑問な叔母さんの愚痴を存分に聞かされた。
「よっし。用は済んだし、言うこと言ったわよね?んじゃ、自分の部屋行って荷物片してきなさい。行ってよし」
「うん」
「あ、安心なさい。これからあんたが住む寮は、この建物の真ん前に控えてるから」
いくらド級の方向音痴でも迷わない、と言ってケラケラと面白そうに笑う。
言いたいことを言い尽くした叔母さんのすっきりとした顔。
張りがあって、ツヤツヤに輝いている。
おお……なんだか若返ってる…。
……もう突っ込まないけど。