心の声がついつい口に出てしまった。


……まずい。


そう思うももう遅い。



姪を小娘呼ばわりする叔母さんにギロリと睨まれて、萎縮する。


どうしよう。



「……ごめんなさい…」


言い訳も何も思いつかないままに謝罪を口にしてみる。


だって、これ以上何を言えばいいんだろう。



「ったく!」



手鏡を放り投げて肘をつく叔母さんの機嫌は、より急な傾斜へと向かっている。



困った…。


ここまでくると最悪が想定できる。


……よし。


覚悟を決めた私は、逃走経路を確保することにした。



今この場で、これ以上の刺激を生まずに体良く事を運ぶ術なんて、私は知らない。


叔母さんを宥める方法。


言ってしまえば、猛獣使いにでもならないと習得できない。



私には……無理だ。