斜めどころか明後日のほうを向いた機嫌は戻ってくれなくて。


挙句、手鏡を取り出して延々と自身の美顔論について語り始めるのはいつものこと。



確かに、自画自賛では終わらないくらいの顔立ちだけど……



チラリ、自分を褒めるのに忙しい叔母さんの顔を窺う。


きつく巻かれたグルングルンの髪、美を意識するあまりに出来上がったばっちりメイク。



隠されたすっぴんは、化粧せざるを得ないくらい醜悪な顔。


……というわけではなく。



むしろ、和風顔の稀に見る美人だ。


だからこそ、素顔の判別が難しいくらい濃い今の化粧が、私はあんまり好きじゃない。



まあ、それはそれとして。


語り続ける叔母さんがいつもながら必死すぎて、それはさながら……



「年増の若作り…」


「何か言ったかしら小娘」