意表を突いておかずを再び突っ込む算段をしていると。



「天音が笑ったぁー!え、初めてだよねぇ!?かーわいい〜っ」


……いや、私も普通に笑うし。


別におかしくないことだと思う。



「俺は一回、んぐ……見てるけど」


口をモグモグさせながらぽつり、呟いた楓斗の声は私以外には聞こえていないらしかった。


……私、笑ったかな…。


聖になら何となく覚えがあるけど、楓斗には……と記憶を辿るも、思い当たる節がない。



私が忘れてるだけだろうけど、皆目見当がつかないため断念した。



「んー、そっちの方が可愛いなあ。口説いてええか?」


それは人に聞くことじゃない…。


視界の端では、同じことを思ったのか聖が苦笑を顔に浮かべているのが見えた。



「あははっ、みっつー冗談が全然面白くなーい」


「おい琉羽、お前は目が笑ってねーよ」