しばらくして、遅れて行った空が頭をかきながら、先生に小さく頭を下げている姿が見えた。



パンッ!というスタートの合図で始まった実況、それと……


巻き起こる熱い声援。



「空くーん!頑張ってぇ〜!!」


「ファイトー!!」



……おお、すごい。


絶大な人気を誇ってる空。


愛嬌たっぷりの琉羽にも引けを取らないかもしれない。



「きゃあああー!!聖くーん!!」


「今こっちに笑いかけてくれたよね!?」


見なくても誰が走っているのか容易に分かる。


とりあえず入手した情報は……



聖、すごく余裕そう。


流れた汗がものすごくイイ男感を醸し出していて、まるで少女漫画の見開きを丸々飾る1コマみたいになってる。


あんなに爽やかに走る人、初めて見た。



この寮に普通の人はいないけど、とりあえず……


「やっぱり、無駄にイケメン揃い…」


なんだな、としみじみ思うのだった。