『次の競技は100m走です。選手は入場門に……』
それからもいくつか競技を経て、種目が……5つ目?6つ目?
とりあえずそれくらいを超えた辺りから、私はこっそり抜け出していた。
どうせもう、参加する競技ないし…。
いつの間にかついて来た空と一緒にA組の教室からグラウンドの様子を眺めた。
それにしても……
やること、ない。
あまりに暇すぎて、徐々に意識がぼんやりしてくる。
欠伸が漏れて、瞼が少し重たくなってきた気が……する。
……あ、眠い。
同じく、今にも寝そうな空と話して気を紛らわせることにした。
「今日は、お疲れ様…?」
「ん、天音も」
「やる気だったね」
「ん、やる気…だった」
「空はまだ、午前種目残ってるよね?」
「ん、多分」
……あ、無理。
これ、無理。話せない。
続かないのは始める前から薄々分かっていたけど、ここまでとは…。