7月上旬。

部活を引退した後の初めての期末考査がやってきた。
千尋はそこで、学校に残って勉強するという習慣を身に付けた。
一緒のクラスの凛もそうしている。

圭太は、たまに残って友達とゲームをして帰る。

最後まで残るのは、私とクラスメイトの永樹と啓と俊介だった。
最後の方はみんな疲れてきて、よくおしゃべりをした。
特に、永樹とは携帯でもよく話すようになった。



…圭太とも携帯、交換したいな。

そう思ってクラスのグループを開いてみると、追加していないのは圭太のみだった。

ああー。なんでこういう時だけ勇気なくなるんやろ。
普通に永樹とは話せるのに。


自分がわからん…。



この頃は、私は圭太に惹かれつつあるのを自覚しようとしなかった。
実加と春にも、一番かわいくてお気に入りと言っている。

そして実加にも、同じクラスにお気に入りがいた。
舜といって、ほんわかしている子だった。

2人で、なんとか接点を作ろうとお互い助け合って頑張る日々が続いた。(もうこの時点で好きって言ってるようなもんやけど…)