緑の息吹が感じられるほどに、時間が過ぎた。
甘い香りさえ漂うかのような草原。
2人でひた走った。
追いかければ逃げる。
追いつけばつかまる。
「あの草原に行きたいな……」
「そうだな」
少し郊外に出ようと、出発した「あの草原」は、
なかなか簡単にいける場所ではないのは知っている。
「ねぇ……」
「どうした?」
「沢山のシロツメクサを取ってきて欲しいの」
「ね、いいでしょ……あの匂いに触れたいの」
「うん、わかったよ。今度の休みの日に取ってくるよ」
「ありがとう」
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