あれから2年の月日がたった。

翼の隣には高野舞がいた。

学校の帰り道、2人で進路について話し合っていた。

「翼は、T大学が第一希望?」

「うん。舞は、推薦でしょう?」

「本当は、翼と同じ大学に行きたいけどわたしの頭じゃあ無理だよ。」

「俺は自分がしたい事まだ見つからないんだ。とりあえず受験してみるよ。」

「わたしは、夢あるよ。」

「何?」

「翼と結婚して子供たくさん作る事。」

「そっかあ、ありがとう。」

「何で?ありがとうなの?わたしと結婚じゃあ不満?」

「いや、俺は幸せだなって思ってね。」

優香里がいなくなって舞と付き合い始めた。

1人で優香里を忘れる自信は翼にはなかった。

舞の明るさに惹かれた。

自分の中で翼は、ずるい男になっていると感じながら舞との時間を過ごしている。

「良いのかな?将来期待して?」

舞の明るい笑顔には勝てない。

「普通のサラリーマンの相手で良いからね。」

「全然、良いよ。逆にわたしが働いて翼が主夫になってもね。それぐらい好きだから。」

「それは、微妙だな。」

「翼は、優しいしやらせると何でも出来るから社会人になったら大変だよ。」

「そんな事ないよ。」

舞に何でも見透かされているようで怖かった。

こんな風に時間が過ぎて舞は短大、翼は大学に進学した。