「優の言う通り、私は弟と妹のためにバイト
してるんだ。
あの子達と一緒に暮らすために」


湊「なんでだ? 親がいるだろう?
それに一緒に暮らしてないのか?」


「色々あってね。今はバイト先の店長の所で預かってもらってる。」


ごめんね、今はこれしか言えないの。


湊「いつからだ。」


「中学生になった頃かな」


そう考えると結構長い間働かせてもらってるんだな


優「そんなに前から…」


奏「しんどくないの?」


「全然、今のバイト気に入ってるんだ」


そう、私は大丈夫。


あの子達のためにしている事が辛いはずなんてないよ


湊「それだけか?」

それだけ?

なにが?

どういうこと?


「どういうこと?バイトをする理由は今話した
通りだよ?」



湊「そうじゃない。
俺たちに隠している事はそれだけじゃない
だろう」


もしかして傷のこと?


でもどうしてだろう


見られた?


「隠している事なんてないよ」


やめて


これ以上私の中に入ってこないで


貴方達に甘えてしまう


湊「じゃあその腕の傷はなんだ」


あぁやっぱり見られてしまったんだ


でも話せない


話したらきっと迷惑をかけてしまう


私は強くならなきゃ


誰よりも強く



あの子達を護れるように