奏「蘭ちゃん、魘されてたけど大丈夫?」


奏が心配そうに聞いてくれる


「うん、大丈夫だよ。
ちょっと嫌な夢見ちゃっただけ」


そう笑顔で言うと、


奏「そっか、良かった」


奏も笑ってくれた


良かった。なにも聞かないでくれて


湊「なぁ、蘭」


湊音が真剣な顔で私を呼ぶ。


「なに?」


湊「バイト。辞めてくれないか?」


また、その話か。


終わったと思ってたのに。


「ごめんね、それはできないや。
心配してくれてありがとう。
たけど、大丈夫だから」

夏「大丈夫なわけないだろう?
こんなに細くなって、睡眠もとれてなくて
いつ倒れてもおかしくない」

廉「そうだよ、倒れてからじゃ遅いんだよ」


みんな、本当に心配してくれてる。


でも、私はあの子達を守らなきゃいけない


もっともっと強くならなくちゃ


そう思っていると、誰かの携帯の着信がなった。


奏「ん?誰のケータイ?」


俺じゃない、僕も、とみんな違うらしい。


てことは、私?


「あ、ごめん、私だ。」


奏「ここで出ても大丈夫だよ」


「そう?ごめんね」


電話に出ると、


『『お姉ちゃん!!』』


と、ふうとるいの声が聞こえた


その声は大きくて、みんなにも聞こえたみたい


みんな、お姉ちゃん?と不思議な顔をしている。


「うん、どうしたの?」


風『今日は何時に来るのー?』


「そうだねぇ、3時くらいかなー?」


月『るい知ってるよ!短い針が3で、長い針が
12のときでしょ!』


「お、よく知ってたね。すごいね。」


風『ふうも知ってたもん!』


「そっか、ふうも偉いね」


そう言うと向こう側で嬉しそうに笑っている2人の姿が想像出来た


『『じゃあ待ってるからねー!』』


「はーい、じゃあねー」


『『ばいばーい!』』


そう言って電話を切ると、


「ごめんね、うるさかったでしょ」


と苦笑混じりにみんなに謝った。


廉「蘭ちゃん、下いたの!?」


「え、うん、弟と妹がね」


夏「そうなのか」


優「だから、バイトしてるの?」


あー、バレちゃったか。


まぁ隠してはいないけど


仕方ない。バイトの事は話しておこうかな


「みんなになんでバイトしてるのか話すよ」