大好きな人に、好きだって言われて、赤くならない人がいるだろうか。


「ゆるの答えは?」


「……っ、き」


「全然聞こえないんだけど」


早凪くんはそう言って、頬に添えていた手を滑らせて、その指で私の唇を撫でた。


「……私も、早凪くんのことが、好きっ、です」


胸がずっとうるさくて、緊張で手には汗がにじんで。


早凪くんのこと、意識するようになってから、もう全然普通じゃいられなくて、身体中熱い。


「ゆるの好きはよくわかんない。瑛斗にも翼にも、アキにだって、可愛い顔するから」


「……そんなことない!」


「あるよ、俺だけ特別だって証拠があれば信用できるけど」


「……っ、」


あれ……?
なんだろうこの流れ。
今までずっと、私が一方的に早凪くんのことが好きで、勝手に莉々ちゃんに嫉妬してたはずなのに。


これじゃ、早凪くんも、瑛斗さんや翼くん、明人さんにまるで嫉妬してたみたいな……。