「でも、でもでも、早凪くん、私のことは家族みたいな存在だって。それって恋愛感情的なものではないんじゃないかな?」


前に、早凪くんには家族みたいな存在だって言われた。


それってつまり女の子として見られてないってことだよね?



「……バカだねゆるは」


早凪くんはそう言って、私の頬に手を添えた。


強引に、目を合わせられる。


「夫婦だってはじめはいつだって恋からはじまってるじゃん」


「……へっ……えっ、夫婦って……」


てっきり、『家族』と言われると、兄妹愛をなぜか連想しまっていた。


まさか、家族と言われてそれが夫婦に結びつくなんて。


「ゆるのこと、女の子として、好きだよ。俺だけのものにしたいって思ってる。もっと早めにまっすぐ伝えればよかったのに。遠回りになってごめん」


「っ、」


今、大好きな人に、はっきりと好きだと言われてしまった。


女の子として、なんて。


いつも余裕そうで、私の前では自由気ままで。


なんとも思ってないみたいだったのに。


「顔、真っ赤」


「だ、だって!」