「……こんな気持ち、生まれて初めてで。自分でもどうしたほうがいいのか良くわからないんだ」


早凪くんの声が耳にかかって、くすぐったい。
でも、それ以上に暖かくて、やっぱり好きだと感じる。


「はじめは本当に、ただゆるの匂いや触り心地が気に入ったから、ゆるの気持ち関係なしに触れてただけで。でも、だんだん変わっていったんだ。ゆるが俺以外のやつと話してるとどうしようもなくムカつく」


早凪くんのセリフ1つ1つに、心臓がバクバクして。後ろの彼にすぐ聞こえちゃうんじゃないかと思うほど。


「ゆるが俺のことを嫌おうが、正直どうでもよかったはずなのに今は違う。……ゆるに、俺と同じ気持ちでいてほしいって思うし……いつだって、笑っていてほしい」


「……っ?!」


信じられない、これこそ夢でも見てるんじゃないかと思って。


何か冗談のつもりかと疑って早凪くんが今どんな顔をしているのか確かめるべく、顔を彼の方へ向けようとすると


「……ダメっ、こっち見ないで。俺、今すごい恥ずかしい顔してるから」


早凪くんはそういって私が顔を向けるのを制した。