「好きだからだよ。好きだからわかるの。早凪くんは、きっと、これからもずっと莉々ちゃんのことを大切にする。かけがえのない、幼なじみだもん。早凪くん、言ったの。莉々ちゃんと仲良くして欲しいって。すごく莉々ちゃんのこと考えてた。私はそれがちょっと羨ましくてモヤモヤしちゃっていたけれど」
「……っ、」
莉々ちゃんが、下唇を噛みながら涙を流す。
そんな彼女を見ていると、私までも泣きそうになって。
知らなかったよ。
莉々ちゃんの中にこんなに色々あったなんて。
「……今は、莉々ちゃんのこともっと知りたいって思ってる」
ライバルだけれど。
ひとりの女の子として。
もう少し歩み寄れたらと。
「……っ、なにそれ。バカじゃん」
莉々ちゃんはそう言いながら、小さな子供みたいにわんわんと泣き始めた。
