莉々ちゃんの口からそんなことを言われると思っていなくて、なんて声をかけていいのかわからなくなった。
莉々ちゃんはずっと、自分自身と自分に向けられてる早凪くんへの気持ちに絶対的な自信を持ってる子だと思っていたから。
「っていうか、そもそも莉々、早凪に振られてるし」
「えっ……」
「小6の時に、早凪にキスしようとしたの。ファーストキスぐらい昔からずっと心から好きな人としたいって。あの頃の莉々は、早凪と結婚するって信じて疑ってなかったし。でも、早凪は……拒んだ。莉々とそういうことは出来ないって、莉々はずっと、妹だからって」
そう言いながら、莉々ちゃんは再び涙を流した。
あれだけ莉々ちゃんのことが嫌でたまらなかったのに。今、彼女の話を聞いて同じように目頭が熱くなってしまう。
まさか、莉々ちゃんが早凪くんに振られていたなんて。