「なんの謝罪?早凪を莉々から奪ったこと?いっつも勝ち誇った顔しちゃってほんとムカつく」
え?勝ち誇った顔をしてるのはどっち?
いつだって、莉々ちゃんの方だったはずだ。
早凪くんはなんでも莉々ちゃんのことを知ってるって、いつもアピールしてるみたいだった。
「私は何も勝ち誇ってなんか!それを言うなら莉々ちゃんの方でしょ?」
なだめに来たはずなのに、なぜか私の火もついてしまって、止まらない。
「はぁー?何言ってんのよ!莉々は不安で不安でたまらなくて!だから……っ、あーもう!こんな話したくないのにっ!」
莉々ちゃんがそう言ってから黙り込んで顔を埋めてしまった。
少しの沈黙が流れる。
「……隣、座るね」
彼女からほんの少し離れてベッドに腰を下ろす。
ちゃんと、話したい。
嫌だなってたくさん思ったけれど、帰ってきてから見た莉々ちゃんの表情を見て、だいぶ気持ちが変わっている。