俺は結局、亜子の一番にはなれなかった。

そういうことなんだろう。

必死でやってきたのに、一瞬で覆された気分だ。

もう……わかんねーよ、なにもかも。

亜子の気持ちも、なにを考えているのかも。

いや、亜子の気持ちはわかってる。

三上のことが好きなんだよな……。

誰かと付き合うなんて初めてだったから、大事にできていたかどうかなんてわからない。

だけど、大事にしていたつもりだった。

不安にさせないように、毎日メッセージのやり取りだってしてたし、時間があれば電話だって。

付き合ってからは、好きだとか、甘いセリフは、照れくさくてなかなか言えなかったけど、態度で示していたつもりだった。

それなのに、俺のなにがダメだったんだ?

考えたって、わかんねーよ。

「そろそろ昼休みが終わるんじゃね?」

「そ、そうだね……戻りたく、ないな」

戻りたくない……。

俺に会いたくないってことかよ?

俺はその場からそっと立ち去り教室に戻った。