わけ、わかんねーよ……。
『亜子の問題だから』って、こういうこと……?
三上のことが好きだから、俺と距離を置きたいって……。
「ほら、もう泣きやめよ。俺、おまえの涙に弱いんだって」
「ご、ごべん……」
鼻をすすりながら、亜子は涙を拭っている。
それをなだめるように、三上が優しく頭を撫でた。
途端に湧き上がる焦燥感。
胸の中に突き上がるようにして、一瞬でカッと熱くなった。
なに、触らせてんだよ……。
おまえも、なに触ってんだよ。
イライラして冷静でいられなくなり、握りしめた拳が怒りで震えた。
目の前のふたりはお似合いで、なんだかすごく絵になってる。
俺といる時よりも……。
チクッと胸が痛んで、ふたりから目をそらした。
これ以上見ていたくない。
現実を知りたくない。
俺を好きだと言ってくれたのは、ウソだったのか……?
ふたりの姿を見ていたら、今まで築き上げてきたものが一瞬で崩れ去っていくような、そんな感覚がした。
俺がいくら亜子を好きでも、亜子の気持ちは一瞬で三上に……。
だったら、俺と亜子の関係はなんだったんだよ……っ。