そして、すごくお似合いだ。
「それより、亜子ちゃんはなにしてるの?」
「え? あ、えーっと……ちょっとモヤモヤしてるから、気晴らしに散歩だよ」
繁華街の中は夜だというのにとても明るくて賑やか。酔っ払いのおじさんや、社会人の姿が多くなる時間帯だ。
「あたしでよければ、話聞くよ?」
「え、デート中でしょ? 邪魔しちゃ悪いから」
「いーのいーの、ヒロトといてもゲーセンか、カラオケだもん」
「い、いいの?」
私は大翔君をチラ見した。
すると大翔君はニッコリ笑って「いいよ」とひとこと。
「よし、じゃあ行こっか、亜子ちゃん」
「うん!」
「ちょっと待って、ヒロトは呼んでない」
当然のごとく一緒に歩く大翔君に、結愛ちゃんは冷静に言った。
「こんな時間に女子ふたりで歩くなんて、俺は許さない」
「だ、大丈夫だよ、なに言ってんの」
「ダメ。俺も行く。いいよね? 亜子ちゃん」
「うん、亜子はべつにいいよ」
「もう、ヒロトったら」
プンプンしながらも、結愛ちゃんはなんだか嬉しそうで、改めてラブラブなふたりを見て羨ましくなる。
なんだかお互いがお互いを大事にしてるって感じる。