一日目は観光から始まった。目的地に着くと、それぞれのグループにわかれて行動開始。

草太と高木君と咲希と私の四人グループ。

私たちのグループは、たこ焼きやスイーツの食べ歩きをすることになっている。ほとんどのグループがたこ焼きを食べるようで、たくさんあるお店の前には長蛇の列ができていた。

「あー、腹減った。お、あの店美味そうじゃね? あそこに並ぼうぜ!」

そう言って高木君が遠くのお店を指差す。

「わぁ、あっちのお団子も美味しそう!」

「咲希ちゃん、そっちはあとでな」

「う、はぁい」

楽しそうな二人のやりとり。なんだかんだ言いながら、この二人はお似合いだと思う。言うと咲希が怒りそうだから、言わないけど。

外国人観光客や他校の修学旅行生も多くて、人であふれかえっている。

「す、すみません」

ううっ。

うまく前に進めなくて、人にぶつかってばかり。そのたびに謝っていたら、いつの間にか三人の背中が遠いところにあった。

「ま、待ってよー……」

迷子になったらどうしよう。そう思ってスピードを速める。待って、置いてかないで。涙目になりながら必死で追いかけた。

「ううっ、人に埋もれちゃうよ」

「亜子! こっち」

「え?」

人混みにまぎれて、草太の姿が見えた。こっちに向かってきて、私に手を伸ばしている。

見知った顔にホッとして無意識に手を伸ばす。すると、草太の大きな手のひらが私の手に重なった。

力強い手にギュッと握られ、引き寄せられる。私もその手をギュッと掴んで離さなかった。

「なに手なんか繋いでんだよ、おまえら。ラブラブだな」

遅れてお店に着いた私と草太を見て高木君がからかってくる。