「あとは?」


「え、他?…おばあちゃんは中学何したの?」

「ふふっ、大恋愛」

「えっ!」

え、ウソ。この優しい温和なおばあちゃんが?


「同じクラスの豊くんと愛し合っていたのよ、体じゃなく心で」

豊くん?それって…


「おじいちゃん?豊くん」

「そーよ、正解。豊くんとは中学生からの同級生だったのよ」


へえー、知らなかった。へえ…。


「じゃ、多未も『恋愛』っと。」

「あ、ちょっと勝手に書かないでよ、それ予定?」

まじ迷惑なんですけど、私、相手になりそうな人いないし。


「多未、もう一ついい?」

「え?」


急におばあちゃんが真剣な顔をしたから、すぐ先ほどまでの空気が、ピンと硬くしっかりする。



「高校、ちゃんと行きたくて行けるところを見つけてきて欲しいの。」


え、いや、それは来年でも…。


「多未が中学3年生の始業式の日の次の週、月曜日からの過去に戻れることにするわ。だから…」

えっ、えっ?中学生3年生の、何?始業式の?

「過去?」

「そうよ」


軽い冗談のつもりで聞いたのに、真顔の返答が返ってきた。