午前中は落ち着いていた店内だったが、お昼に近づくにつれお昼休みのOLやサラリーマンで混雑し、気づけば２時になっていた。


「まゆ、休憩行ってきていいよ！」


先に休憩に行っていた清香が戻り、交代で休憩に入る。


スタッフルームに行き、幹さんが作ってくれたお弁当とスマホをロッカーから取り出し、奥の休憩スペースの椅子に座った。


「いただきます」


テーブルに置いたお弁当箱の蓋を開けると、とっても美味しそうなお弁当にお腹が鳴ってしまった。


「誰もいなくてよかった…」


どれから食べようか悩みながらも幹さんが朝から作っていたミニハンバーグを口に入れると、あまりの美味しさに頬がゆるんでしまう。


「んー！美味しい！！」


あっという間にお弁当を食べ終えると、スタッフルームのドアがノックされた。


「まゆ、休憩中にごめんね。まゆにお客さんが来てるんだけど…」


清香が申し訳なさそうにドアから顔を覗かせる。


私にお客さん？


「わかった。今行くよ」


お弁当箱を急いで片付けて店内に戻ると、清香が入り口近くの席を指差した。



指を指す方を見ると、黒のジャージを着た男の子が一人座っていた。


「まどか？」


「まゆ！！」


名前を呼ぶと、椅子から立ち上がり思いっきり抱きついてきたまどか。


そんなまどかを見て、清香は困惑していた。