「そんな小さい頃のことなんか忘れてる…」


「そうですか。まぁ、おもしろかったしいいや。さてと、明日も早いし部屋に戻るか」


「さっさと出てけ」


はいはいと部屋を出ていこうとする幹さん。私も部屋に戻ったほうがいいよねと一歩下がると零さんに呼び止められた。


「まゆはこっちに来て」


「え?あっ、はい…」


お邪魔しますと部屋に入ると、後ろで幹さんが頑張れと言って扉を閉めた。


頑張れって何?もしかして私、これから零さんに怒られるの?


「まゆ?」


名前を呼ばれて私は思い切り頭を下げた。


「すすすすすみませんでした!!零さんお仕事中なのに幹さんと許可無く部屋にお邪魔してしまって」


頭を下げたまま零さんの言葉を待ってると、零さんは私の前に立ち頭を撫でた。


「怒ってないから大丈夫だよ。どうせ幹に、俺がプレゼントちゃんと飾ってるか気になるだろって言われて連れて来られたんでしょ?」


驚いて顔を上げると、笑顔の零さ…いや笑顔なんだけど目が笑ってない。


「それにしても知らなかったよ。まゆがくれたプレゼント、幹と選んだ物だったんだね」


「え?」


「部屋に来るなり何か探してるし、このくまがまゆがくれた物だって知ってるし、すぐにわかったよ。二人で出掛けて決めたんだって」


「零さん…あの…やっぱり怒って…」


「部屋に来たことは怒ってはいないけど、二人で出掛けたのは別問題だよ。まゆ、お仕置きね」



そう言うと零さんは私の唇を塞いだ。