なんとなくわかる…。この笑顔はなにか良からぬことを考えてる…。


「よし!まゆすけ、零の部屋に行くからついてこい!」


「え!?だ、だめですよ!!零さんは今お仕事中なんですから」


「別に今してるやつ、急ぎの仕事じゃねーから平気平気。それにだ。お前だって気になるだろ?本当にすぐプレゼントのくま飾ってくれてるのか」


確かに気になる。零さん、すぐに飾るとは言ってたけど、中のくまさんを見て言ったわけじゃないもん。もしかしたら気に入らなくて飾ってないかもしれない。


「い、行っても怒られないでしょうか…」


「大丈夫だって。ほらっ、行くぞ」


「は、はい!!あっ、その前にこの子たち部屋に置いてきてもいいですか?」


自作の覆面殺人鬼とヒロインのぬいぐるみを抱えると、幹さんはヒロインのぬいぐるみをひょいと持ち上げた。


「これ、映画のだろ?こんな人形売ってたか?」


「あっ、これは好きすぎて自分で作ったんです。この作品グッズどころかパンフレットも無かったので、何か形に残るものをと思って」


なるほどね。と言うと、幹さんは廊下に向かって歩きだした。私もその後を追うけど、リビングを出たところで幹さんは急に止まってしまった。


「幹さん?」


「まゆすけ、お前どこの客間借りてんだ?そういや
、まゆすけの部屋知らねーわ俺」


そっか。部屋に案内された時、幹さんいなかったもんね。


今度は私を先頭に自室へ向かい、ぬいぐるみ達をベッドに置いてすぐ、お仕事中である零さんの部屋に向かった。