笑いを堪える幹さんに私はすぐからかわれたんだと気づいた。


「幹さん!私をからかいましたね!?もう!退いてくださいっ!!」


幹さんの胸を押し、ソファーから降りた。


本当に襲われると思って怖かったのに!!


おもいっきり幹さんを睨むけど、当の本人はまだ笑っている。


「そんなに笑うことないじゃないですか!私、怖かったんですよ!?」


「いや、だってよ…はははっ!押し倒した時のまゆすけの顔!!はははははっ!!あー、涙止まんねー。つーか、ずっと女嫌いな俺がそんな簡単に落ちるわけねーだろバカまゆ。普通にからかってるって気づけよ」


うっ…。そう言われたらそうだけど、いきなり押し倒されたらびっくりしてそんな考える余裕ないよ。


「まぁ、零へのプレゼント選びに一緒に行った仲だし?誤解されてもしゃーないけど。そういや、あのくま、零に渡したのか?」


からかってくると思えば、プレゼントのことを気にかけてくれている幹さんは優しいのか優しくないのかわかんない。


「えっと、一応帰りの車の中で渡しましたけど…」


水族館を出て車に乗ったタイミングで渡したんだけど、あの時の零さんの嬉しそうな顔、可愛かったなぁ。


思い出すだけだ口元がにやけてしまう。


「その様子からすると、かなり喜んでたみたいだな零のやつ。それで?そのプレゼントどうするって?」


「え?えっと…すぐに部屋に飾ると…」


私の言葉を聞いた幹さんは、ニヤッと黒い笑みを浮かべた。