「自分の命を狙ってる殺人鬼なのに、怪我の心配をするヒロインのかわいさ…。これは惚れるよね」


ぬいぐるみを抱きしめながら、ポテチを食べていると後ろから手が伸びて、ポテチを一枚取った。


「なーに、勝手に映画観てんだよ。まゆすけ」


「幹さん!これは勝手じゃありません。零さんに許可をもらいました」


「DVDは俺のだろうが。しかも家を出たと思ったら、コーラとポテチ買ってるし」


そう言いながら、もう一枚ポテチを取って口に入れる。


「それはすみません。でもこっそり出たはずなのになんで知ってるんですか?」


「たまたまだよ。トイレ行こうとしたら家を出るお前を見た。それだけ」


なるほど…。


「ほら、ソファーの端に行け」


「え!?座るんですか!?」


「ご主人様の命令に逆らうわけ?まゆすけは」


うっ…。逆らって家から出てけって言われたら嫌だ…。居候の分際で逆らうなんて出来ないけど…。


「端に行きます…」


ソファーの端に移動すると、幹さんも端に座りまた数十分前と同じ状態になった。


「あの、コーラ飲みます?」


「あぁ、もらう」


袋からもう一本買っておいたコーラを幹さんに渡すと「コーラとポテチってベタだな」と言われた。