車を降り、急いで大家さんのもとに向かった。


「大家さん、どうかされたんですか?」


「まゆちゃんよかったわ!早く帰ってきてくれて。実はね…」


大家さんの口から出た言葉に、私はショックを隠せなかった。


大家さんの話によると、私の真上の部屋が急に水道の水が止まらなくなり、部屋が水浸しになってしまったらしく、その水が私の部屋にまで流れている可能性があるらしい。


「水道の修理は終わってるんだけどね、修理屋さんがくるまではずっと出てたから、もしかしたらまゆちゃんのお部屋も住める状態じゃないかもしれないの。一緒に確認してもらってもいいかしら」


「わ、わかりました…」


鍵でドアを開けて明かりを付けると、台所は水浸しになっていた。


「まゆちゃん…申し訳ないけど、このお部屋の状態であなたを住まわせるわけにはいかないわ。お部屋が直るまで三ヶ月ほど、どこか別の場所に住んでもらうことになるけど、許してちょうだい…」


申し訳なさそうに話す大家さんに、私は頷くことしかできなかった。

だけど今から新しいお部屋なんて探せないし、今日はネカフェに決定かな。奥の部屋は無事そうだし、服とか必要なものを簡単に持っていこう。