「うわー!たかいたかーい!!」


「これでお父さんとお母さん探せるだろ」


「うん!ありがとうおにいちゃん」


零さんと男の子のその光景に思わず笑ってしまう。


「まゆ、どうかした?」


「いえ、こうして見ると兄弟というより親子だなって」


「親子…ね。それならまゆは俺の奥さんってところかな」


「え!?」


「ははっ、顔赤いよ」


「こ、これは照明のせいです!!」


酷いよ零さん…。子供の前でもからかうなんて。


恥ずかしさで顔を手で隠してると、男の子は心配になったのか、あめたべてげんきだしてとオレンジキャンディをくれた。


零さんは私と男の子の会話を聞いて、これじゃあどっちが子供かわかんないなと笑っていた。


それから数分後、男の子はパパとママだ!!と指を指す方向を見ると、小さいリュックを持った男の人と今にも泣きそうな女の人が目に入った。多分あの人達が男の子の両親だろう。


「パパー!ママー!!」


男の子が大声で呼ぶと二人は声に気づき、男の子の方へ走ってきた。