「零さん!零さん!!サメですよ!サメ!!あっ!あっちにペンギンがいるみたいです!!」


あっ、クラゲだ!!どうしよ!どれから見よう!!


零さんの手を引きながらキョロキョロしてると、くくくっと笑い声が聞こえた。


「零さんどうしました?」


「いや…、すごく楽しんでて可愛いなって…くくっ」


あそこにいる女の子と同じ動きしてると、零さんの視線の先を見ると、お父さんの手を引っ張りながら、大水槽にいるサメを目で追いかけてる女の子がいた。


「それって私が子供みたいってことですか?」


「子供とは言ってないよ。あの女の子みたいに可愛いなって思ったんだ。それに」


ーちゅっ


零さんは私の目線まで屈み、頬に軽く触れるキスをした。


「子供にはこんなことしないよ」


「こ、こんな人が多い所でしなくても…」


「大丈夫だよ。みんな魚に夢中だから」


辺りを見回すと、確かにみんな水槽を見てて気づいてないみたい。けど、だからっていきなりはずるい。